うちのワンコが調子悪くて、動物病院へ行きました。
咳が続いて治らないのです。
もう14歳で高齢なうえに、心臓もよくないので心配でした。
うちのワンコはメスで、おとなしい性格です。
昔小さなときに、ダックスに吼えられて追いかけられてから、同じように吠えるワンコが怖いのです。
それだから動物病院が嫌いで、いつも行くと震えが止まりません。
抱っこをしながら待つのですが、その時間がすごく長く感じられます。
今日も数匹のワンちゃんネコちゃんたちが、籠に入ったり、抱っこされたりしながら待合室で診察を待っていました。
うちのこは、以前よりも年をとったせいか、震えは減りましたが、声にならない声を出して鳴きます。
「ヒーヒー・・・」みたいな、音声を鼻を鳴らしながら出すのです。
そしていつものポーズは、高くに上ろうとするのか抱いている位置からずっと上にすりあがっていきます。
とうとういつもお尻を抱っこする形になるのです。
待合のいすで、今日もそんな恰好で私とワンコが座りました。
それでも今日はおだやかな感じがします。
いつもはもっと動いて落ち着かないのですが、抱いていてもじっとしていました。
それだけしんどいのかな?とも思いながらいました。
クーラーは効いているものの、もう秋の気温で少し寒いくらいです。
暖かいワンコの体温が伝わってきて、ワンコを抱いている肩や手のぬくもりをじっと感じていました。
「生きている」って、それだけでいい。
このぬくもりが消えないでほしい。
なんかそんな気持ちで、診察を待っていました。
自然の営みは一つの法則で、最後に生を終わらせます。
必ずお別れは来るけど、今じゃないでほしい。
いろんな想いで人は生きるけど、たったこれだけのぬくもりで幸せになれる。
物言わぬ動物だから、その純粋さに打たれます。
私はそうはなれない、人間だから。
だから触れることで、癒されていくんです。
診察室の前だから、このぬくもりのありがたさが染みます。
呼ばれて診察を終えました。
思ったよりも大丈夫な様子。
動きもあるし、食欲もあるし、原因はよくはわからなくてもその生命力を維持してほしい。
帰り道、いつも何かあるとご褒美をもらえるとあって、待っているのかおやつの匂いを嗅いでいます。
匂いもまだまだわかるんだ・・・とそんなことでもホッとするのです。
歯磨き用のデンタルボーンガムを二つに切って、のどにつめないか確認しながら食べさせます。
いつもはすっと飲み込むばかりですが、このおやつはさすがに少し硬いので噛みます。
食べられるうちは大丈夫。
とにかく何だかほっとして、とにかく私もお腹がすきました。